震災10年

 あのとき明石で被災した高校3年の受験生に会った。「政治に、行政に言いたいことがたくさんある」と言った彼は今、台湾新幹線建設に関わる仕事をしている。「世の中のことをたくさん知った上で自分の仕事を決めたい」と、大学を卒業してすぐタクシーの運転手になった。冷静なのか向こう見ずなのか、周囲をハラハラさせながらも、私なんかよりずっと地に足を着けた生き方をしている青年だと思う。彼は台湾で日本の報道をどう見ているだろう?春には彼と久しぶりに再会できそうな気がしている。